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2013年2月の投稿

2013年2月 9日 (土)

実践例-4年- 単元名 空気と水の性質を調べよう 水ロケット

実践例-4年-

単元名 空気と水の性質を調べよう

 水ロケットが飛ぶ仕組みを追究することを通して 圧された空気や水の性質についての見方や考え方を構築していく営み

2 本単元における知識創造

 本単元では閉じこめられた空気や水に力を加え、その時の手応えやかさの変化を調
べる。その過程において、空気には、圧し縮められてかさが小さくなると、圧し返す
力が大きくなるという性質があることや水には圧し縮められない性質があることをと
らえ、この二つの性質についての見方や考え方を構築していくことがねらいである。
 子どものもつ空気や水に関する知識は、見えないや透明などの視覚に基づく知識で、
柔らかいや硬いなどの体感に基づくものではないため、漠然としており、性質のほん
の一部でしかない。
 このような子どもであるため、全員が同じものに触れて体感する必要がある。まず、
ビニル袋に空気を閉じ込め、見たり触ったり力を加えたりする活動を通して、子ども
は硬い、撥ねかえす、縮むなどの空気の新たな性質を理解することになるだろう。 し
かし、この活動で理解した性質では、やわらかい袋を使っているため、空気の収縮性
という性質の理解には至らない。
 そこで、水ロケットの飛ぶ仕組みを追究する場を設定する。 この追究の場でモデル図を使うことにより、子どもは、空気は縮むことができるが水は縮むことができないという仮説をもつ。 この仮説の検証実験を行うことで、空気は縮むことができるが水は縮むことができないという、空気や水の性質についての見方や考え方を構築する。 この見方や考え方をもとに、モデル図を使って友達と飛ぶ仕組みを説明し合い、共有することで、空気や水の性質について、より客観的な見方や考え方が再構できると考える。
 そして、身に付いた空気や水の性質についての見方や考え方を日常生活に活かすと
ともに、空気鉄砲が飛ぶ仕組みやボールがはねる理由を説明することで、より深い理
解に至ると思われる。

3 本単元における「プロセスの自覚」を促す・活かすために
(1)本単元における「よさ」
 本単元における知識創造のプロセスの「よさ」は二つある。一つは、子どもが空気
や水の性質について、自分の見方や考え方をモデル図に表すことである。もう一つは、
そのモデル図を使って、友達と説明し合うことで、空気や水の性質についてより客観
的な見方や考え方を構築することである。
(2)「よさ」の共有のための手だて
 ①可視化
 水ロケットが飛ぶ仕組みについてモデル図に表すことを、本単元におけ
る可視化と考える。子どもが自分の考えをモデル図に表す場面は、仕組みを仮説する
場面と空気や水の性質を理解した上で考察する場面の二つを設定する。
 空気や水のような見えないものをモデル図で見えるように表すことで、思考が整理
され、時間的、空間的な変化の説明が、容易になると考えられる。
 本単元ではワークシートを使い、時間的な変化について飛ぶ前・空気を入れた時・
発射した時の三段階に分けてモデル図をかかせたい。そうすることで空間的な変化を
主眼において、空気の収縮や圧し返す様子、水の収縮しない様子などの自分の見方や考え方を空気モデルや水モデルの変化で、表すことができると思われる。
 また、モデル図を使うことで、仮説場面と考察場面で自分の考えを比べることがで
きる。そうすることで、圧せられた空気や水の性質における見方や考え方の変容が明
らかになり、より客観的なものとして構築できたことが分かると考える。

 ②「かかわり」
 仮説と考察の二つの「かかわり」の場面において、三つの手だてを用いる。一つは、
モデル図を使って、グループ内で飛ぶ仕組みを説明したり質問したりすることである。
このことから、自分の考えとの共通点や相違点を見い出すことができると思われる。しかし、グループ内での|かかわり」では、見方や考え方のよさまでは、なかなか気
づかない。そこで、二つ目の手だてとして、モデル図に表れている見方や考え方の違
う子どもに、全体の場で説明する時間を設けることである。また、三つ目の手だてと
して、その時間に、教師が子どもの考えに対して、共通点や相違点を明確にしたり、
見方や考え方のよさを取り上げたりすることで、評価・価値付けを行うことである。
その上でもう一度自分の考えを見直すことにより、空気や水の性質についての見方や
考え方が、より客観的なものとして構築していくと考える。

③実践的自覚へのデザイン
 本単元では水ロケットの飛ぶ仕組みを考える二つの場面で、モデル図をかかせるが、それ以外検証実験の場面でもモデル図を利用していく。その場面では、フォーマットのあるワークシートは使わず、ノートにモデル図をかかせることで、グループでの話し合いや全体での発表に役立てていきたい。モデル図を繰り返しかくことで、子どもは後半の単元である『水の3つのすがた』や『もののかさと温度』においても、モデル図を自然にかけるようになる。そして、ものの性質について、より客観的な見方や考え方が構築できると考える。 さらに、4年生でモデル図の基礎を習得することで5年生の『もののとけかた』や6年生の『水溶液の性質』において量的変化や化学変化の理解につながっていくだろう。
 また、空気鉄砲やボールなどの日常にあるものにも、モデル図を活用して表すこと
を行っていきたい。そうすることで、日常生活における空気や水の性質を使った道具
に興味をもって、考えをめぐらせる姿が見られると考える。そして、以後の単元にお
いても、得た知識を日常生活と結びつけて活用することを行っていく。

学習指導案

「mizusyou.pdf」をダウンロード

中学校水ロケット 講習学習指導案

              中学校水ロケット 講習学習指導案

                      期 日 平成25年〇月〇日 第 校時
                       場 所
                       指導者 指導講師 佐藤 吉男
                                                        講師 〇〇 〇〇
1 単元名 中学校1年生 理科 第1章 第3節「力と圧力」 6空気の圧力を調べよ     う(大日本図書)
2 単元について
 (1)私たちの身の回りには力に関係した現象が数多くあるが,力が働いていることを意識することは少ない。この単元では,今まで何気なく見過ごしていた現象の中に,疑問を見いだし,その疑問を解決する学習を行うことにより,様々な現象を科学的 な視点から見つめる力や考える力を養うことがねらいである。ここでは,力に関する実験を行い,結果を分析して解釈することを通して規則性を見いださせ,力に関する基礎的な性質やその働きを理解させることが重要である。
    また,本単元は,結果をグラフに表し分析することにより,力の量的な見方の基礎を養うとともに,力に関しての科学的な見方や考え方を養うことにも適した単元である。

---------------------------------

小学校第3学年「物と重さ」[風やゴムの働き」
 ・粘土などを使い,物の重さや体積を調べ,物の性質についての考えを持つことができ
  るようにする。
 ・風やゴムで物が動く様子を調べ,風やゴムの働きについての考えを持つことができる
  ようにする。
-----------------------------------

小学校第5学年「振り子の運動」▼ ・おもりを使い,おもりの重さや糸の長さなどを変えて振り子の動く様子を調べ,振り▼  子の運動の規則性についての考えを持つことができるようにする。
---------------------------------

小学校第6学年「てこの規則性」▼ ・てこを使い,力の加わる位置や大きさを変えて,てこの仕組みや働きを調べ,てこの▼  規則性についての考えを持つことができるようにする。              .
---------------------------------

中学校第1学年「力と圧力」
 ・物体に力を働かせる実験を行い,物体に力が働くとその物体が変形したり動き始めた
  り,運動の様子が変わったりすることを見いだすとともに,力は大きさと向きによっ
  て表されることを理解することができる。
 ・圧力についての実験を行い,圧力は力の大きさと面積に関係があることを見いだすこ
  とができる。また,水圧や大気圧の実験を行い,その結果を水や空気の重さと関連付
  けてとらえることができる。

---------------------------------

(4)指導にあたっては,次の点に留意する。
 ○力は目に見えず,理解しにくいため,モデルや図を活用しながら指導していきたい。
 ○力の大きさは水ロケットの打ち上げ高度測定できることや大気による圧力を理解させるための自作教材を準備し,なぜそうなるのかを考えるための支援をしたい。

○測定結果を処理する際,測定値には誤差が必ず含まれていることや,誤差を踏まえた上で規則性を見いださせるように指導し,誤差の扱いやグラフ化など,測定値の処理の仕方の基礎を習得させる。
○実験結果(事実)と,その結果から何かいえるのか(考察)をはっきりと区別して考えさせることで,自然を科学的な言葉や概念を使って説明する能力を養うようにしたい。
○観察,実験を通して,結果を分析し,解釈する能力や導き出した自らの考えを表現する能力を育てたい。

              思考力,表現力等と言語活動

 観察,実験の結果を,自分の考えに基づいて解釈する力や観察,実験データに基づいて考察する力を思考力ととらえる。また,科学的力言葉や概念を活涯[して,調べた結果や考察を文章や図式を用いて分かりやすぐまとめたり/発表した1トする力を表現万力ととちえる。
 そのため,に,「予想や解決の見通しを持つ」,「結果をノ¬卜等にまとめる」。「結果から課題を考察する」,「本時で学んだことを基に,他の事例に当てはめて説明する」活動を授業の中で展開し,それぞれの活動の申で「考えを持つム「記録する」レ「発表する」活動を充実さ

3 指導の計画(  時間扱い)
  本時の学習

学習指導案

「tyuugaku.pdf」をダウンロード

単元名 空気と水の性質を調べよう

実践例-4年-

単元名 空気と水の性質を調べよう

 水ロケットが飛ぶ仕組みを追究することを通して 圧された空気や水の性質についての見方や考え方を構築していく営み

2 本単元における知識創造

 本単元では閉じこめられた空気や水に力を加え、その時の手応えやかさの変化を調
べる。その過程において、空気には、圧し縮められてかさが小さくなると、圧し返す
力が大きくなるという性質があることや水には圧し縮められない性質があることをと
らえ、この二つの性質についての見方や考え方を構築していくことがねらいである。
 子どものもつ空気や水に関する知識は、見えないや透明などの視覚に基づく知識で、
柔らかいや硬いなどの体感に基づくものではないため、漠然としており、性質のほん
の一部でしかない。
 このような子どもであるため、全員が同じものに触れて体感する必要がある。まず、
ビニル袋に空気を閉じ込め、見たり触ったり力を加えたりする活動を通して、子ども
は硬い、撥ねかえす、縮むなどの空気の新たな性質を理解することになるだろう。 し
かし、この活動で理解した性質では、やわらかい袋を使っているため、空気の収縮性
という性質の理解には至らない。
 そこで、水ロケットの飛ぶ仕組みを追究する場を設定する。 この追究の場でモデル図を使うことにより、子どもは、空気は縮むことができるが水は縮むことができないという仮説をもつ。 この仮説の検証実験を行うことで、空気は縮むことができるが水は縮むことができないという、空気や水の性質についての見方や考え方を構築する。 この見方や考え方をもとに、モデル図を使って友達と飛ぶ仕組みを説明し合い、共有することで、空気や水の性質について、より客観的な見方や考え方が再構できると考える。
 そして、身に付いた空気や水の性質についての見方や考え方を日常生活に活かすと
ともに、空気鉄砲が飛ぶ仕組みやボールがはねる理由を説明することで、より深い理
解に至ると思われる。

3 本単元における「プロセスの自覚」を促す・活かすために
(1)本単元における「よさ」
 本単元における知識創造のプロセスの「よさ」は二つある。一つは、子どもが空気
や水の性質について、自分の見方や考え方をモデル図に表すことである。もう一つは、
そのモデル図を使って、友達と説明し合うことで、空気や水の性質についてより客観
的な見方や考え方を構築することである。
(2)「よさ」の共有のための手だて
 ①可視化
 水ロケットが飛ぶ仕組みについてモデル図に表すことを、本単元におけ
る可視化と考える。子どもが自分の考えをモデル図に表す場面は、仕組みを仮説する
場面と空気や水の性質を理解した上で考察する場面の二つを設定する。
 空気や水のような見えないものをモデル図で見えるように表すことで、思考が整理
され、時間的、空間的な変化の説明が、容易になると考えられる。
 本単元ではワークシートを使い、時間的な変化について飛ぶ前・空気を入れた時・
発射した時の三段階に分けてモデル図をかかせたい。そうすることで空間的な変化を
主眼において、空気の収縮や圧し返す様子、水の収縮しない様子などの自分の見方や考え方を空気モデルや水モデルの変化で、表すことができると思われる。
 また、モデル図を使うことで、仮説場面と考察場面で自分の考えを比べることがで
きる。そうすることで、圧せられた空気や水の性質における見方や考え方の変容が明
らかになり、より客観的なものとして構築できたことが分かると考える。

 ②「かかわり」
 仮説と考察の二つの「かかわり」の場面において、三つの手だてを用いる。一つは、
モデル図を使って、グループ内で飛ぶ仕組みを説明したり質問したりすることである。
このことから、自分の考えとの共通点や相違点を見い出すことができると思われる。しかし、グループ内での|かかわり」では、見方や考え方のよさまでは、なかなか気
づかない。そこで、二つ目の手だてとして、モデル図に表れている見方や考え方の違
う子どもに、全体の場で説明する時間を設けることである。また、三つ目の手だてと
して、その時間に、教師が子どもの考えに対して、共通点や相違点を明確にしたり、
見方や考え方のよさを取り上げたりすることで、評価・価値付けを行うことである。
その上でもう一度自分の考えを見直すことにより、空気や水の性質についての見方や
考え方が、より客観的なものとして構築していくと考える。

③実践的自覚へのデザイン
 本単元では水ロケットの飛ぶ仕組みを考える二つの場面で、モデル図をかかせるが、それ以外検証実験の場面でもモデル図を利用していく。その場面では、フォーマットのあるワークシートは使わず、ノートにモデル図をかかせることで、グループでの話し合いや全体での発表に役立てていきたい。モデル図を繰り返しかくことで、子どもは後半の単元である『水の3つのすがた』や『もののかさと温度』においても、モデル図を自然にかけるようになる。そして、ものの性質について、より客観的な見方や考え方が構築できると考える。 さらに、4年生でモデル図の基礎を習得することで5年生の『もののとけかた』や6年生の『水溶液の性質』において量的変化や化学変化の理解につながっていくだろう。
 また、空気鉄砲やボールなどの日常にあるものにも、モデル図を活用して表すこと
を行っていきたい。そうすることで、日常生活における空気や水の性質を使った道具
に興味をもって、考えをめぐらせる姿が見られると考える。そして、以後の単元にお
いても、得た知識を日常生活と結びつけて活用することを行っていく。

学習指導案

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小学校高学年 ロケット教室 授業案

                                                    指導講師 佐藤 吉男
                                                        講師 〇〇 〇〇

1.日時   月   日
2.小学校高学年 20名
3.題材 フィルムケースロケット、水ロケット
4.題材目標
(1)フィルムケースロケットを飛ばし、力の働きについて関心を持つとともに、ロケットの 飛ぶ仕組みと他の現象について力の働きの点から考察しようとする。
(2)様々な条件での実験、様々な視点からの観察を通し、フィルムケースロケットの飛ぶ仕組みにつ いて理論的、実証的な考察をすることができる。
(3)フィルムケースロケットを飛ばす際の条件を変えて実験をすることにより、創意ある実 験とその発表を行うことができる。
(4)力の作用・反作用の関係を理解し、フィルムケースロケットの飛ぶ仕組み、および作用・反作用 の力が関係する他の現象について説明することができる。

3.題材観

 フィルムケースに1㎤ほどの発泡入浴剤と水を仕込みキャップをして地面に設置する。すると二、三十秒後にフィルムケースが3mほどの高さまで勢いよく飛び上がるのだ。
このフィルムケースを用いたロケット(フィルムケースロケット)は、発泡入浴剤の反応という身近な化学反応を利用している。
 普段私たちは発泡入浴剤が湯船に溶ける様子を何気なく観察していることだろう。しかし発泡入浴剤が水と反応して生じる気体の量は、見かけをはるかに超える量である。一般に多く見られる、5Cm四方で厚さが2㎝弱の発泡入浴剤の錠剤1つ(40 g)が湯に溶けてすべて反応した場合、どれだけの量の気体が生じるのだろうか。風呂に入った際、湯船にペットボトルを沈め、そこに漏斗を用いて発泡入浴剤から生じた気体を集めたところ、Iℓ入りのボトルでちょうど3杯の量の気体が集まった。発生した気体の量は常温、常圧で3ℓにも及んだ。約30㎤の発泡入浴剤から3ℓ近くの気体が生じるので、発砲入浴剤ロケットの1回の打ち上げに発泡入浴剤をl ㎤用いるとしてそれがすべて反応した場合、100 mℓ 近くの気体が生じるといえる。フィルムケース1イ固の容積が約30mℓであるので、発泡入浴剤の反応によって生じる気体の量は、入浴剤の見かけの体積に比べてずいぷんと大きなことがわかるだろう。
 入浴剤ロケットは一見、フィルムケースに発泡入浴剤と水を仕掛けただけの単純なロケットである。しかし実際は奥の深いロケットである。例えばフィルムケースに発泡入浴剤を仕込むときの水の量と飛距離の関係は興味深い。フィルムケースに仕込む水の量を一定にしてフィルムケースに仕掛ける発泡入浴剤の量を増やせば当然フィルムケースロケットの飛距離は伸びるが、発泡入浴剤の量を一定にしてケースに加える水の量を変化させた場合、ロケットの飛距離は単純には決まらない。水の量が少なければロケットの飛距離は伸びず、逆に水の量が多すぎてもフィルムケースの飛距離は伸びない。発泡入浴剤と水との適切な加減が必要となる。
 さらに、フィルムケース内に仕込む入浴剤と水の反応についても興味深いことが得られる。フィルムケースに仕込む発泡入浴剤と水の量が一定の場合、仕込む水の温度が高いほど発泡入浴剤と水の仕込みからロケットの打ち上げまでの時間は短くなる。また、仕込む発泡入浴剤と水の量が一定の場合、発泡入浴剤を塊の状態で仕込んだ場合に比べ、砕いた粉の状態で仕込んだ場合の方が発泡入浴剤と水の仕込みからロケットの打ち上げまでの時間は短くなる。
 発泡入浴剤は水の中でどのような反応をするのだろうか。発泡入浴剤を水に入れたときに生じた気体を石灰水に通したところ、石灰水が白濁した。発泡入浴剤を水に入れて生じた気体は二酸化炭素であると確認できた。入浴剤には主な成分として炭酸水素ナトリウム(NaHC0₃フマル酸(HOOCHC=CHCOOH)が含まれている。炭酸水素ナトリウムは膨らし粉として使われるベーキングパウダーあるいは掃除に使われる重曹の成分と同じ成分であり、食品にはラムネにも使われている。発泡入浴剤が水と触れると泡を生じるのは、水中で炭酸水素ナトリウムがフマル酸と反応して二酸化炭素が生じるためである。その反応は次の式で表される。
NaHC0₃十H→Na十H₂0十C0₂↑
発泡入浴剤が固形の状態では炭酸水素ナトリウムとフマル酸の反応は起こらない。発泡入浴剤が水に溶解すると、溶液中で固形のフマル酸から水素イオンの解離が起こる。この水素イオンが炭酸水素ナトリウムと反応することにより、二酸化炭素が生じる。
 フィルムケースが飛ぶのは、フィルムケースから押し出される溶液とフィルムケースの間に作用・反作用の力が生じることによる。フィルムケース内で二酸化炭素が発生することにより、ケース内部の圧力が高まると、フィルムケース内の溶液がフィルムケースの外側に対してキャップを押す力、つまり「作用」Iの力が生じる。それに対し、フィルムケースのキャッブからは、フィルムケース内の溶液、気体に対して押し返す力、つまり「反作用」の力が生じる。(図1)ロケットはこの
Ansayou



 

作用の力、反作用の力は互いに逆向きであり、力の大きさは等しい。フィルムケース内の溶液とフィルムケースの間で生じる作用・反作用の力は互いに逆向きであり大きさは等しいので、フィルムケース内の圧力が高まっても、溶液がフィルムケースを押す力(作用の力)とフィルムケースが溶液を押し返す力(反作用)の間で力の釣り合いが生じてフィルムケースは静止し続けるように見える。しかしここで重要なことは、作用・反作用の力は2つの物体に対して別々に働くということであり、力の釣り合いとは異なることである。
 力の釣り合いは、1つの物体に対して大きさが等しく向きが反対の2つの力が働くことによる。綱引きの綱に注目すると理解しやすいだろう。綱引きでは1つの物体つまり綱に対して2方向に力が働く。綱の両側を互いに(b)同じ力で引き合えば、綱には力の釣り合いが生じるので綱は動かない。一方、作用・反作用の力の場合、2つの物体に対して互いに別の力が働く。作用・反作用については泳ぐときのことを思い浮かべるとわかりやすい。水中で水をかけば、水をかいた方向と反対方向に体が動く。自分の体が水を押せば、水に対して作用の力が働く。一方、水が自分の体を押し返せば、自分の体に対して反作用の力が働く。この際の作用・反作用の力は、それぞれ「水」と「自分の体」という2つの異なる物体に対して働く。この点が力の釣り合いの場合とは異なる。
 1つの物体に対し、大きさが等しく向きが反対の2つの力が働けば力の釣り合いが生じる。その場合、それらの2つの力は互いに打ち消しあう。一方、作用・反作用の力は、作用が及ぶ物体と、反作用が及ぶ物体の2者に対してそれぞれに対して別々に生じる。作用・反作用の力は、対になる2つの物体に対して個々に働く力であり、作用と反作用の力が互いに打ち消されることはないのだ。 子どもたちは、単純な作りでありながら奥の深いフィルムケースロケットの打ち上げを楽しんで取り組むことができるだろう。そしてロケットの飛ぶ仕組みを考えることを通して、力の概念について理解して行くことだろう。運動とエネルギーの分野で扱われる力、運動、エネルギーなどは形を持ったものではなく、それ自体を実際に日で確認することはできない。力の概念は抽象的なことであり理解しにくいことではあるが、物理分野での力学の基礎となる重要な概念である。フィルムケースロケットの打ち上げを通し、実感を伴いながらその概念の一つを学ぶことのできるところがこの題材の面白い点であろう。
 フィルムケースロケットの打ち上げを通して力の作用・反作用を学ぶことにより、子どもたちはさらに「水が多すぎても少なすぎても飛距離が伸びないのはなぜだろう」といった新たな疑問についての追究、解明につなげることができる。目に見えない力の世界をフィルムケースロケットの発射という実感のあるものでとらえ、さらに掘り下げて行くことができる。
 子どもたちが身近な現象についての仕組みを力の観点から考えることのできるよう働きかけをし、力の概念を導入して現象を理解することの面白さを子供だちと感じ取って行きたい。

4.講習の指導計画
1校時目
講師自己紹介 5分(2名)
受講生自己紹介 20分(20名))
フィルムケースロケットを打ち上げよう 20分

10分間休憩

2校時目
ロケットの飛ぶ仕組みを力の面から明らかにしよう 10分
ロケットの飛ぶ仕組みを考え、力の作用・反作用について理解する 25分
次の水ロケットの打ち上げの手順、注意事項などを聞く 10分

10分間休憩(グランドへ移動を含む))

3校時目
 水ロケット飛ばし高度を競う 一人2回 20分
 水ロケットの仕組みからロケットの原理を考える 15分
 まとめ 10分

1.本講座の指導
(2)1校時目の目標
    講師の自己紹介と内容を真剣に聞く。
    自己紹介によって自分のことを自覚する
    安全なフィルムケースロケット発射実験ができる。

(3)2校時の目標と授業案

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