20年間を振り返って その1
1991年日本宇宙少年団が初めて日本でモデルロケットのアルファー3を打ち上げその年NPO法人日本モデルロケット協会が山田氏、斎藤氏の2人によって発足し、ライセンス制度と協会公認のモデルロケットエンジンと機体の販売を開始した。
1992年札幌市立八軒中学校の科学部が中学校のグランドでモデルロケットを打ち上げ開始した。当時学校という組織の中で唯一モデルロケットの科学的検証をおこなっていた。この年「ズームイン朝」の生放送に出演し水ロケットの打ち上げとモデルロケットの打ち上げを全国生放送した。また、朝日新聞の1993年 平成5年)10月26日(火)の朝刊全国版に規制緩和ーファックス投書からでモデルロケットが取り上げられた。
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モデルロケット『危険』理由に夢奪う
「本物そっくりのモデルロケットの打ち上げに使う火薬燃料入りのエンジンは、火薬が規定量を超えると十八歳以上の大人でないと自由に買えず、打ち上げもできない」。宇宙への関心が高い中高校生や教師らが法規制の緩和を訴えている。
「スターティング、カウントダウン(秒読み開始) スリー、ツー、ワンイグニッション(点火)」。札幌市西区の八軒中学校の校庭。コードでつないだ点火装置のスイッチを入れると、三十センチメートルほどの頁っ赤なモデルロケットが勢いよく舞い上がった。
『「エンジン」は火薬』
同校科学部では、佐藤吉男教諭(三六)の指導で昨年二月からモデルロケットの打ち上げ実験を始めた。しかし、途端に規制の厳しさに直面した。
機体は紙と木、ブラスチックでできている。親指ほどの円筒に詰まったまった黒色火繋が「エンジン」だ。火繋が燃焼する時の高速噴射ガスの推進力でロケットが舞い上がる。
『知事の許可が必要』
この黒色火薬に火薬類取締法や同法の施行規則で規制がかかる。火薬の量が5g以下なら、玩具の花火と同じ扱いなので、中高校生でもエンジンを自由に模型店などで買え、モデルロケットを作って飛ばすことができる。
だが、火薬の量が五gを超えると、エンジンを購入するのに都道府県知事の許可をもらわなくてはならない。ロケットを飛ばす場合にも許可が必要だ。しかも「火薬類取り扱い保安責任者」という都道府県の資格試験に合格した人が立ち会わねばならなくなる。
『事故の報告はなし』
佐藤教諭らによると、モデルロケットは米国政府が将来の宇宙飛行士や研究者を育てるてる目的で開発を指示し、教育現場での実験にも使われてきた。米国では火て、米航空宇宙局(NASA)の許可を受けた米国のエ場で製造されたもの。これまでに事故が起きたとの報告はない。
しかし、通産省は「火薬が五gを超えると、誤って事故が起きる可能性も増す。親の立場からは、危険のあるものを子供に自由に与えてよいのか、となる」と指摘する。
これに対し、佐藤教諭は「規制がなければ、生徒たちの自由な発想でロケット設計でき、エンジンの規模による飛び方の違いなども自分たちの目で確かめられる」と残念がる
東京都内の高校生から届いたファックスには [宇宙に対ずる夢、憧(あこが)れを奪わないで」とあった。
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この記事により規制緩和が進み5g以上でも日本モデルロケット協会の4級のライセンスを取得した者にはA(2.5Ns)B(5.0Ns)C(10.0Ns)の3種類のエンジンを使用できるようになり、また一から自作することが出来るようになった。
この1993年が北海道モデルロケットクラブ(HMRC)発足の年であった。モデルロケット北海道大会を開催に導き、北海道から初めて全国大会に選手を送り込んだ。
中学2年生3名、小学6年生1名、小学2年生1名の計5名がエントリーした。引率者として北海道モデルロケットクラブ(HMRC)会長、副会長の2名が同行した。
しかし、私が転勤で八軒中を去ったあと科学部は自然消滅してしまった。私の転勤先の東栄中学校に科学部があったが、モデルロケットを操れるほど優秀な存在はなく基礎研究からやり直すしかなかった。私が多忙を極めているあいだ北海道モデルロケットクラブ(HMRC)の活動は休止状態となっていたが、2003年10年間ともにモデルロケットの普及啓蒙活動をしてきた北海道警察本部 刑事科科学捜査研究所物理科研究員の長尾康美が死去され、各種のモデルロケットを北海道モデルロケットクラブ(HMRC)に寄贈された。これを打ち上げるために「2003年モデルロケット北海道大会」を開催しデモフライトで長尾氏のロケットを打ち上げることができた。2003年には<弟子屈町100年記念事業> 「摩周宇宙フェスティバル」 でも打ち上げに成功した。以後21世紀の北海道モデルロケットクラブ(HMRC)活動が開始されることになる。
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